高脂肪食による肥満・糖尿病の発症に差異があるモデル動物
Oikawa-Nagao(ON)マウスは、C57BL/6J、C3H/HeJ、AKR/Nの交雑系マウスを由来とし、高脂肪食投与後の経口ブドウ糖試験で高血糖を呈する個体(ON-DP系)と正常血糖を維持する個体(ON-DR系)を20世代以上にわたって選抜交配することで作出されました。日本オリジナルの多因子遺伝の肥満2型糖尿病モデルマウス(クローズドコロニー)です。
ON-DP系は、普通食投与では軽度の耐糖能異常を示しますが、高脂肪食投与により肥満となって糖尿病を発症します。ON-DR系は、高脂肪食投与下でも正常な体重・血糖水準を維持します。また、ON-DP系は、ON-DR系と比較して、膵β細胞のインスリン分泌能が遺伝的に低下していることがわかっています。
遺伝要因(β細胞機能)と環境要因(高脂肪食)の相互作用によって糖尿病を発症するというヒトの2型糖尿病の病態ともよく類似しており、普通食投与下では耐糖能異常(食後高血糖)とインスリン分泌能の低下を示し、5週間の高脂肪食投与後には肥満となり糖尿病を発症することから、1つの個体を追跡することで耐糖能異常〜肥満・2型糖尿病の発症過程を評価することが可能です。
ON-DP系のコントロール動物がON-DR系となります。
※開発当初、ON-DP系をSDG-P系、ON-DR系をSDG-R系として報告しています。
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